虚往実帰 延命山 蓮花寺

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八千枚護摩修行の事 人生を切り開く力

昨年の八千枚護摩修行、当日の様子です。

 

前回、護摩を極めたいと書きました。護摩行を極めるには、八千枚護摩修行を納めないと護摩を極めたとは言えないと思いました。 

護摩行を極める修行の旅を始めて、たどり着いた八千枚護摩修行。真言宗で2大荒行と言われる修行の一つです。始めてみるといったものの、何処か自分にもできるのだろうか。といった不安はありました。過去にはこれで命を落とした人もおられますし、なんといっても真言宗2大荒行の一つなので、冬に滝に打たれるレベルとは比べ物りになりません。何となく想像つくではありませんか、真冬の滝行は「寒いんだろうな」とか、風邪をひかないように終わった後、体を温めることを考えようとか。そう言ったことが全く通用しない、想像が全くできないので、真言宗の最大の荒行の一つに言われていると思います。

これは、言葉で説明しても難しいんですよ。百聞は一見に如かずで、一度見てもらうのがいいです。修行をしている人を見るだけで、ご利益があると言います。特に私は、こういった修行で得た加持力を皆様に届けたいと思って修行しているから当然だと思います。

この八千枚の修行に入るには、少なくとも一年以上前から事前の準備が必要で、それ以外にも必要な道具が沢山いります。この道具を揃えるだけでも結構な時間がかかります。たまに、簡単にできると勘違いしている方がおられるので、なんだか修行を馬鹿にしているのかと思ってしまうことも何度かありました。いざやってみるとなると、なかなかできないみたいで私の言っていたことが分かってくれたと思います。

 

そもそも、八千枚護摩修行とは、八千本の護摩木を一日で焼き尽くす修行です。ご縁日などの護摩で一回に焼く護摩木は一束108本です。八千本となると、その護摩木の束は80束になります。うちのご縁日の護摩の火は、特別太めの護摩木を用意しているので、結構火力があります。うちの護摩祈祷だけしか知らない方は、そんなものだろうと思っていると思いますが、火力はある方なんですよ。一束で、あの火力が80束になればと思うと少しは想像できるでしょう。色々なものが溶ける温度です。私はわかりませんが、80束を焼いているときの堂内は、堂外よりかなり暑いと聞きます。

ですので、熱中症になって危なかったことが数回ありました。そうならないためにも、一年以上前から準備しておるにも関わらず、命の危機になることはあります。これで命までもっていかれていないのは、決まったことを真面目にやっていたからだと思ってます。その真面目になってる決まったことというと、めんどくさいのですが、拝む前に水をかぶること。

今年は3月24日から修行に入ります。その間、一日3回拝むのですが、拝む前に必ず冷水をかぶります。これがめんどくさい。水をかぶるのに服を脱がないとだめでしょ、そしてまだまだ寒いので、辛い時もあります。

その次が、穀物、塩を絶つこと。

穀物を絶つことを木食と言います。昔何も知らないときは、木食和尚というのは、木の皮を食べていたと思ってましたが、穀物を絶つことが木食になるそうです。穀物を絶つということは、主食がありません。穀物は、お米、小麦、大麦、大豆、小豆などを指します。トウモロコシもダメで、落花生も豆になるので食べれません。最低限のエネルギーだけを入れて、塩を抜いておくことで、80束を焼くための体つくりをします。

そして、不動明王真言を10万回唱える。

一日三回拝む間に、不動明王真言を5000回お唱えします。ですので一日15,000回の不動明王真言を唱える計算になります。初めのころは唱えるだけでも、2時間~2時間半はかかり、その後護摩をするので、都合3時間~3時間半はかかります。時にはもっと時間がかかることがあり、日によっては5時間かかることもあります。となると寝る時間はほとんどなく、常に仏様と向き合っている状況になります。

こういったお約束を守って初めて80束を焼く条件が整います。これだけでも結構厳しく、しんどい物ですが、それに当日の80束を加えれば、体の疲れも限界に近い物があります。人によっては、一日三回の不動明王真言を5000回唱える期間が一番しんどいとも言います。どっちもしんどいのですけどね。

何事でも楽な事はありません。護摩を極めるためと思って始めた、八千枚の護摩修行も年に一回だけですが、15回続いております。この八千枚を続けて思った事が、代受苦ということです。代受苦とは、苦しみを代りに受けるといった意味です。これは、うちの本尊のお地蔵様の誓願、誓った願いであります。

前回も書きましたが、人生の障礙(邪魔をするもの)を焼ききるといった力が護摩にはあります。その修業の延長で、始めた八千枚護摩修行は非常にしんどいです。しかし、しんどいのですが拝んでいるうちに、代受苦といった事を教えていただきました。

人生を切り開くためには、人の苦しみをもわかってなければいけない。ただ人生を切り開くことをすればいいのではなく、本尊の誓いを持って住職がいるのなら、代わりに苦しみを受けることも必要なのではないか。皆さんと同じ苦しみを受けることは不可能です。それならば、真言宗で1,2を争う難行苦行であるからこそ、代わりのしんどさを背負って、時には同じ思いをするから、皆さんの人生を切り開く力をもらえることが出来るのだと思います。

当初から八千枚のポスターに書きました。護摩の炎は神仏に祈願を届けるための炎ではなく、あなたの悩みや悪縁を焼き尽くすための浄化の炎でもあります。これは今でも本当に思います。また、拝む時間も悩み事の大きさにに比例すると思います。大きな悩みであればあるほど、焼き切るにも時間がかかります。拝む時間は延べ時間にすると何時間になるでしょう。

一回3時間程度と考えて、一日9時間。それを14日間なので、126時間。そして、最終日も約9時間。合計135時間。拝むことで幸せになる人が増えるのなら、頑張り甲斐があります。

 

この期間は、申込者のみを拝んでおりますので、申込者以外が緊急な事があっても対応できない事がありますが、その辺は御寛恕ください。この修行あってこそ、ご利益を分配できるので、申し込みをしていない方に加持力を分配することは、申込者に対して失礼だと思ってしておりません。

また、拝むのもこの期間でくくり直しをしております。ご縁があった方を、この時期で一度改めております。