信者さんのご紹介があった本です。
裏表紙に、感動のヒューマンミステリーと書いていたのに、惹かれました。
こういっては失礼かもしれませんが、この作家の小林由香さんの身内には精神的にお疲れ気味の方がおられるのは、と思えるぐらいの描写と思いました。
それぐらい、我々が対応しているような、家庭の事が生生しく描かれています。
いじめで息子が自殺をし、その後、母親が精神崩壊の上、自殺。
そして、父親が復讐を考えて、復讐後は自殺を考えていた。
途中からは、親が主人公になるぐらいの影響力がでてきて、ダブル主役のようになります。最初からの主役の少年と、その父親の奇妙な関係が築かれ、双方の葛藤が描かれます。
そういった葛藤の中の最後のセリフ
人の思いがこの一点に凝縮された、優しさ、苦悩、思い、すべてが含まれた最後のセリフ。
なぜこのタイトルなのか、また読み終わって余韻に浸っているとき、本を閉じると表紙の心使いにジーンと来ます。
この小説は、ジャッジメントととは違った、物語の広がりを感じます。
かなりサクサク読めますので、まだ、読んでおられない方は一読されてはどうでしょう。