今年は、住職になって20年目のメモリアルイヤーでもあります。
当初は兼業坊主をしておりました。
スイミングのインストラクターをしながらの、兼業生活でした。
自分で兼業坊主と言っておりまして、ローカルな新聞にも取り上げてもらいました。
その一年後には、職業を住職一本にしております。
思い起こせば、仏様のお導きで住職になったと思います。
昔は起業したくて、準備していたのですが、そのころ父親が病気になりました。
もともと腎臓が子どものころから弱かったそうで、無理を重ねていたのでしょう。
透析をしなければならない状況になり、それと同じタイミングで、お寺を継ぐと言っていた弟が、なんの相談もなしに突然自主退学してきたのです。
これは、私も困りました。
かなり複雑な気持ちが揺れ動いたのです。
しかしながら、長男でありながら起業すると好き勝手していたのを、これは仏様の導きだと受け取り、起業を諦めて後を継ぐことを宣言します。
夢を諦めると言ったら大げさで、少しの寂しさがありましが、これが私の進む道だと確信し翌年からは、僧侶の修行に入ります。
修行中は新聞、TV、携帯など、外部との連絡が取れるものは一切持ち込み禁止です。
ですので、修行が終った時は、浦島太郎状態で世の中で何が起こっているのか、まったく知らない状況です。
修行後、俗世間に出てきた時、友達に騙された冗談として、
パフィーという女性二人組が、一人増えて3人組になったとか
ドラゴンボールが終って、あられちゃんが大学生になったアニメが始まった
などなど、かなり楽しませてくれました。
何にも知らないですから、その時は本気で信じていました。
修行内容は、一日のうちほとんどを拝んでいます。
3時から21時まで、みっちりのスケジュールですが、今、思い返せばこの修行期間というのは、とても贅沢な時間でした。
だって、拝むことだけを考えていたらいい時間です。
こんな贅沢な時間を今作ることはかなり至難です。
自分のお寺での修行期間は、檀信徒の対応にも時間がとられますので、一日中拝むことだけを考えていればいいってことはありません。
50日籠ってする、求聞持法はまだ修したことはありませんが、きっと贅沢な時間だろうと思ってます。
なかなか50日間、お寺を留守にすることはできそうにありませんが、いつかは修法してみたいです。